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幸福度世界一と言われる国、デンマークの日本との違いが驚きの教育制度とは?

幸福度世界一と言われる国、デンマークの日本との違いが驚きの教育制度とは?

教育と福祉が充実していることで知られる北欧諸国。
その中でもデンマークは独特の教育文化を持ち、国民の幸福度が高いことで有名です。
今回は、そんなデンマークの教育制度の秘密について迫っていきます。

デンマークの教育制度、日本とはこうも違う!

デンマークの公立の学校は、10学年あります。
その学校は、Folkeskolen(国民学校)といって、幼稚園と小学校と中学校が一体になったような学校です。
そのFolkeskolenの10年間を義務教育としていますが、学校に行くことを強制するものではなく、「保護者が家庭で教育する」ことも認められています。Folkeskolen修了後、希望すれば一年就学を延長できるafterschoolという制度もあります。

デンマークの教育制度の特徴として、立ち止まって人生を考えるための機会が多く保障されていることがあります。
先述したafterschoolや、Gap Year(ギャップイヤー;基本1年)フォルケホイスコーレ(民衆の大学)などが特徴的です。
Gap Yearとは?
高校を卒業して、大学に行く前に自分が将来何をしたいか考えたり、やりたいことに挑戦したりする準備期間のこと。
海外にボランティアに行ったり、自分探しの旅に出たり、人によって過ごし方は様々です。アメリカやヨーロッパでは一般的。
フォルケホイスコーレとは?
デンマークに約70校ほどある全寮制の大人のための教育機関。18歳以上であれば、いつでも誰でも入学できます。
入学試験はなく、資格も問われません。授業は語学、アート、ライフスタイルなど多岐にわたり、自分の興味のある科目を自由に選べます。年齢も国籍もバラバラの生徒が他者との交わりの中でゆとりを持って自分を見つめる時間を確保できる場所となっています。

デンマークの福祉制度はどうなってる?

  • 義務教育から大学を出るまで学費が全て無料!
  • 18歳以上の一人暮らしには学生支援金として月6~10万円が支給される
  • 医療費・介護費は基本無料

みたいな感じで、福祉制度は充実しており、デンマークはとても住みやすい国であることがわかりますね。
この制度が成り立つ背景として税率の高さがあげられます。
デンマークにおいては、「消費税25%」、「所得税・住民税約25%」、「自動車税180%」など、他国と比べて高い税率となっています。高納税社会のため、たくさん稼いでもその大半を税金として国に納めなければなりません。労働に対するモチベーションは下がらないのかと心配になりますが、デンマーク人の仕事に対するモチベーションは日本人のそれとはかなり違うそう。

デンマークには「Hygge(ヒュッゲ)」という言葉があります。これは主体性を持って物事に取り組むことや充実感を持つこと、リラックスした状態を指す言葉です。デンマーク人はこの「Hygge」の感覚を大事にし、自主的に仕事に取り組み、充実した時間を過ごせているようです。

高い幸福感を育むデンマークの教育の特色

自分がどうしたいかを大切にする

デンマークにおいては、家庭でも学校でも「自分はどうしたいのか?」と問われ続ける文化があります。生徒が積極的に議論に参加し、グループで課題の解決を目指していくスタイルのため、はっきりと自分の意見を表明することを求められます。受動的な授業スタイルとは異なり、自分でどうしたいのかを考えさせることによって、自分のやりたいことが尊重されます。それが自分をしっかりと持つことや、自己肯定感の高まりにつながっています。

中学2年まで試験なし、大学受験もなし

デンマークの小中学校では、点数によって序列をつけることは法律によって禁止されているため、試験がありません。
そのため、自信をなくすことなく、自分の興味のあることややりたいことに集中することができます。日本においては定期テストや入試での競争によって「何ができるか」が重視されますが、デンマークにおいては、「何がしたいのか」が大切になってきます。
またデンマークにおいては日本の感覚からすれば驚きモノですが大学受験がありません。
デンマークでの大学受験は、次の2クォーターがあります。

  1. 高校の成績のみ
  2. 自分が興味ある分野のボランティア活動やインターンの活動などを通して、実地経験を積み重ね、自己推薦書を書く

この2クォーターのうち、どちらか一方を選んで受験する仕組みになっているようです。入試制度のあり方は日本とはかなり違いが見られますね。

少人数編成のクラス

デンマークの小中高では、法律で1クラスは26人以下と定められています。
授業はディスカッショングループワークを中心に行われます。
先生と生徒がお互いを下の名前で呼ぶことが出来るほど距離が近いのが特徴で、先生や教授に対してもオープンに反対意見を言ったり質問したりすることがしやすい環境があります。

まとめ

デンマークの国民の幸福度の高さは、以上で見てきたようなゆとりのある教育制度、普段から自分の考えを求められるような文化に根ざしていることがわかりました。豊かになった反面、人生に幸福を感じにくくなった今の日本人。デンマークのように「将来自分は何がしたいのか」、「自分はどんな人間なのか」をゆっくり考える時間を大切にすることも、これからは大事になってくるかもしれないですね。