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人生にやり残したことはないか。~スペインで出会った忘れられない2つの話~

人生にやり残したことはないか。~スペインで出会った忘れられない2つの話~

人生にやり残したことはないか?

僕の人生は今のところ

やり残したことだらけです。

絶対に悔いが残ると悩みに悩み、一念発起。

この世界一周を機に、少しずつ少しずつ

やりたいことをやり始めています!

 

今回はそんなことを考えるきっかけになったスペインでのAさんとの出会い。

 

僕はサハラ砂漠で死にかけて、スペインのバルセロナで2回病院に行きました。

お陰さまで無事に回復。今も元気に旅を続けています。

 

その時お世話になった通訳のAさん。
スペインに住んで13年という。

今回は、Aさんから聞いたお話を2つ紹介します。僕が日本にいたら決して出会わなかったお話。また新しい人生の捉え方を教えてもらいました。

 

(1)スペイン旅行中に亡くなったおばあちゃんの話

 

Aさんが担当したおばあちゃん。

スペイン旅行中に病状が悪化し緊急手術をしたが帰らぬ人となりました。

家族にはガンを内緒にしてスペインに来たようです。

言えば間違いなく反対されるだろうから。

 

僕が気になったのは

 

『おばあちゃんはどんな思いでスペインに来たのか。』

 

家族に病気のことを内緒にしてをまでスペインへ。

無理をしてまでスペインへ。

死ぬかもしれないのにスペインへ。

 

もしかしたら

『死ぬかもしれないからスペインに』

だったのかも知れません。

 

どうしてもスペインに行きたかったおばあちゃんの想い。

 

70歳。
おばあちゃんはガン。

 

死を考えないはずがない。

 

それでもスペインに来た。

日本から遠く離れたスペインに来た。

 

心も体も元気な僕が
初めてスペインに来るのとは訳が違う。

 

70歳のおばあちゃんが
初めてのスペインに来たのだ。

 

ツアーでの参加だがスゴいことだと思う。

僕なりに思ったのは

 

『おばあちゃんは、死んでもいいからスペインに行きたい

 

きっとそんな、理屈じゃない感情が

押さえられなかったんじゃないかと思います。

僕はそう受け取りました。

 

たかが旅行。
そう思うかもしれません。

 

しかし、死ぬ前にやりたいこと。
途中で死んでも構わないからやりたいこと。

 

おばあちゃんにとってスペイン旅行はそれくらい大事なことだった。

僕が日本を飛び出した時の気持ちと重なることでした。

 

僕にもおばあちゃんの気持ちが少しだけわかる気がしています。

世界一周に行くとき、

『万が一、テロにあっても悔いはない。』

やりたいことを我慢して死んでいくより

自分がやりたいことをやって死にたい。

本当にそう思ってました。

おばあちゃんにとってどうしてもやりたかったことが

『スペインに行くこと』

本当のことは、おばあちゃんにしかわかりませんが

スペインの街並みを見たり

おいしい料理やお酒

サグラダファミリアといった

歴史的建造物の町並みに憧れていたのかもしれません。

純粋に遠く離れた世界を見てみたかったのかもしれません。

誰にでもやりたいことは
きっとあるはずです。

 

死を意識しにくい今の世の中では
気づきにくいのかもしれません。

 

やりたいことは生きてる内にやる。

 

本当にあたりまえのこと。

僕は60歳を越えてからではなく
元気な今のうちにやりたいことに挑戦しようと思います。

 

スペインで亡くなったおばあちゃんから
僕はそんなことを学びました。

 

 

(2)スペインで退職を迎えた3人の日本人の話

私を担当した通訳さんは、スペインでたまたま退職する直前の3人の日本人と、それぞれ話しをする機会があったそうです。

 

スペインの人達の日常の姿を見て、日本とは全くちがう様子に衝撃を受けたそうです。

 

周りのスペインの人達は、家族や友人との時間を大事にしたり、自分のやりたいことをやって人生を楽しんでいました。

 

そして、スペインの職場で退職を迎える3人の日本人は、まったく同じことを言ったそうです。

 

私は今まで何をやっていたんだろう

 

私はそれを聞いて

どうしても他人事には聞こえませんでした。

 

自分の人生を犠牲にして忙殺され、必死に働き生きてきて、無事に退職を迎えた3人の日本人。

 

それに引き換え、家族や友人との時間を大切にしやりたいことをちゃんとやって毎日を楽しんでいるスペインの人達。

 

上の一言に集約されている、ぶつけようのない思いが、僕には生々しく伝わってきました。

 

退職する。

つまり、退職という1つの人生が終わるとき

 

『幸せだった』

 

ではなく

 

今まで私は何をやっていたんだろう

 

こんな悲しいことはないんじゃないか。

もっと早くきづくべきであった。

そんな思いが伝わってきました。

 

日本の働く人間のリアルな厳しい現実を見せつけられた気がしました。

 

もちろん、人それぞれですからその生き方が合っている人もいる。そうでない人もいる。それだけのこと。

 

生き方は個人の自由です。

 

しかし、僕の場合は今の生き方に
すでに疑問を持っていました。

 

そのタイミングでこの話を聞いたので
さらに深く考える視点をもらいました。

 

せっかくの視点。
最大限生かしていきたい。

 

おわりに

Aさんから聞いた2つのお話。

あらためて自分の生き方を見つめる
いいきっかけをいただきました。

 

死んでからでは遅い。

 

今、元気に生きているうちに
やりたいことに思いきって挑戦しようと
決意させてもらいました。

 

今日も明日も大切な人生の1日。

 

柔らかい心で、元気に楽しく生きたいと思います。

☆写真はバルセロナの古いほうの空港内。